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かくも容赦なくのっぴきならずひとであることの
あけてもくれてもひとでありつづけることの そのむごたらしさのまんなかをこそ おまえは生きよまっすぐに おまえはねがうな野の花のやすらかさを ひたすらにあるがままに身をゆだねてつつましく みちたりてもだえないことをうらやむな おまえはいつもうえつづけほしがりつづけ みちたりなさのなかでめぐりあいに生きよ おまえは閉ざすな 窓という窓戸口という戸口を そこからとびこんでくる一切のものにめぐりあえるように 小さな一匹のコガネムシとさえ おまえはめぐりあえ こころのありったけで 汚辱や悪意不運や挫折をこわがるな めぐりあいのなかでおののきながら こころは深くなり大きくなるのだ ああ おまえは生きよ かくも苛烈なひとのよにおまえをうんだ わたしのうしろめたさをふみしだいて ひとであることのまがまがしさをつきぬけて しんそこいのちのいとおしさにたどりつける日まで cf. http://ignis.exblog.jp/6928776/ 征矢泰子 http://ignis.exblog.jp/1361873/「綱引き」 http://ignis.exblog.jp/6928729/「不条理」 http://ignis.exblog.jp/6928759/「怨歌・真紅の腰巻きのための」 http://ignis.exblog.jp/6928710/「りんごの死」 http://ignis.exblog.jp/6928701/「鬼灯」 http://ignis.exblog.jp/6928696/「罪と罰」 http://ignis.exblog.jp/6928688/「地獄」 http://ignis.exblog.jp/6928675/「八重山吹」 http://ignis.exblog.jp/6928672/「西瓜わり」 http://ignis.exblog.jp/6928667/「野の仏」 http://ignis.exblog.jp/6928659/「娘に」
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by sato_ignis
| 2017-02-22 03:31
| 詩
わがますらをは やまゆかば くさむすかばね うみゆかば みづくかばねと むかしより ちかひてくにに つくしけり じんせいわずか ごじふねん いのちをしみて よろづよの なをけがすべき ことやある いきあるかぎり すゝみうて #
by sato_ignis
| 2017-01-23 01:28
| 音楽
よひのかがりびかげうせて こがらしふくやしもしろし
よはふけしずむひろのはら こまもひづめをくつろげつ おとなくさゆるあきのつき たてをしとねのもののふは あすをもしらでくさまくら ゆめはいづこをめぐるらむ ひるのたたかひはげしさに あたるをえてときりまくり おもふがままのてがらして ここにこよひはやどりぎの みはまだとかぬよろひした うへゆくかりにゆめやぶれ そぞろにおもふふるさとの くもゐはるかにかゝるつき くにをおもふのまごころは いえをもいかでわするべき たゞみひとつをなきかずに いりにしやまのつきかげを みずにむすびてあすはまた かたなのめくぎつゞくまで うでによりをばかけだすき はなばなしくぞたたかはむ cf. 2006-05-07 http://ignis.exblog.jp/4587784/
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by sato_ignis
| 2017-01-15 00:01
| 音楽
#
by sato_ignis
| 2017-01-11 05:00
| 講義
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by sato_ignis
| 2017-01-04 07:15
| 雑記
EARNESTNESS IS the path of immortality (Nirvâna), thoughtlessness the path of death. Those who are in earnest do not die, those who are thoughtless are as if dead already.
Having understood this clearly, those who are advanced in earnestness, and rejoice in the knowledge of the elect.* These wise people, meditative, steady, always possessed of strong powers, attain to Nirvâna, the highest happiness. If an earnest person has roused himself, if he is not forgetful, if his deeds are pure, if he acts with consideration, if he restrains himself, and lives according to law,--then his glory will increase. By rousing himself, by earnestness, by restraint and control, the wise man may make for himself an island which no flood can overwhelm. *elect] those who have entered on the path that leads to Nirvâna. F. Max Müller. 2000. Wisdom of the Buddha: The Unabridged Dhammapada (Dover Thrift Editions) . New York: Dover Publications. #
by sato_ignis
| 2016-12-14 04:17
| 雑記
一、
玉の宮居は丸の内 近き日比谷に集まれる 電車の道は十文字 まづ上野へと遊ばんか 二、 左に宮城をがみつつ 東京府廳を右に見て 馬場先門や和田倉門 大手町には内務省 三、 渡るも早し神田橋 錦町より小川町 乘りかへしげき須田町や 昌平橋をわたりゆく 四、 神田神社の廣前(ひろまえ)を すぎて本郷大通り 右にまがりて切通し 仰ぐ湯島の天滿宮 五、 いつしか上野廣小路 さて公園に見るものは 西郷翁の銅像よ 東照宮のみたまやよ 六、 博物館に動物園 パノラマ美術展覽會 不忍池畔(ちはん)の辯財天 四季の眺めもあかぬかな 七、 淺草行に乘行かば 左に上野ステーション 走るも早し車坂 清島町をうちすぎて 八、 はや目の前に十二階 雷門より下りたてば ここ淺草の觀世音 詣ずる人は肩を摩(す)る 九、 五重塔よ仁王門 水族館よ花やしき をどり玉のり珍世界 奧山あたりのにぎやかさ 十、 さて淺草より上野へと 還る電車の道すがら 甍の空に聳ゆるは 名高き東本願寺 十一、 電車は三橋のたもとより 行くては昔の御成道 萬世橋をうちわたり 内神田へと入りぬれば 十二、 須田町 鍛冶町うち通り 今川橋よ本石町 室町すぎて日本橋 さても都の大通り 十三、 商家は櫛の齒を竝べ ガス燈電燈夜をてらし 通り三丁 四丁目や つづく中橋廣小路 十四、 京橋渡れば更に又 光まばゆき銀座街(がい) 道には煉瓦をしきならべ なみ木の柳 風すずし 十五、 銀行 會社 商館の ならべる大廈高樓は いづれも石造(せきぞう) 煉瓦造 目を驚かすばかりなり 十六、 新橋わたりて左には 同じ名のあるステーション 線路はおなじ大通り 芝の町々走り行く 十七、 大門町の左には 電車鐵道會社あり ほどなく高輪泉嶽寺 四十七士のあとも訪(と)え 十八、 さて品川につきぬれば 横濱 川嵜 羽根田へと 通ふ電車も開けたり げにも便利のよき事や 十九、 なほ電鐵には日本橋 しろかね町を右に折れ 淺草橋をうち渡り 藏前すぎて雷門 二十、 もとの線路を引きかへし 淺草橋より道かへて 横山町を通りすぎ 本町さして還るあり 二十一、 街鐵線は三田よりぞ 芝園橋をうちわたり 左に見て行く公園は 徳川氏(うじ)の廟所にて 二十二、 松風すずしく園きよく 東宮殿下御慶事の 記念燈あり丸山に 伊能忠敬の碑も建てり 二十三、 愛宕の塔を見あげつつ 幸橋をわたるまに いつか日比谷につきにけり いで公園を見てゆかん 二十四、 さても日比谷の公園は 池あり丘あり廣場あり 四季の草木を植ゑこみて 市民上下(しようか)の遊歩場 二十五、 新宿行に乘るやすぐ 櫻田門より下りたたば 二重橋より宮城を ほのかに拜みまつるべし 二十六、 櫻田門をすぐる頃 左に見ゆる建物は 大審院よ司法省 なほもつづける海軍省 二十七、 はやも參謀本部前 たてる馬上の銅像は 流れも清き有栖川 熾仁殿下の俤(おもかげ)ぞ 二十八、 電車はいつか三宅坂 陸軍省のそば近く 右の御濠に宮城の みどりの松の影深し 二十九、 青山行は乘りかへて 赤坂見附 一つ木(ひとつぎ)を 過ぎて東宮御所の前 電車は行くなり四丁目へ 三十、 青山墓地へは三丁目 澁谷氷川の病院を 訪(と)はんとならば四丁目に おりてゆくべし左へと 三十一、 新宿行は更になほ 衞戍病院前をすぎ 半藏門の前よりぞ 左に折れて麹町 三十二、 十町(じつちよう)過ぎて四ッ谷門 見附を出でて大横町 傳馬町より鹽町(しおちよう)よ 新宿さしていそぎゆく 三十三、 新宿驛より甲武線 四ッ谷 市谷 牛込や 飯田町(いいだまち)をばうち過ぎて その名も清きお茶の水 三十四、 その道すがら右左 目に入るものは青山の 練兵場や學習院 士官學校 八幡宮 三十五、 外堀線は四ッ谷より 市谷見附 神樂坂 砲兵工廠前をすぎ お茶の水橋 駿河臺 三十六、 小川町より錦町 鎌倉河岸より常盤橋 左に高き建物は 日本三井の兩銀行 三十七、 呉服橋より鍛冶橋と すぎ行く道は八重洲河岸 帝國ホテルを對岸に 見つつ土橋の停留所 三十八、 右に曲がりて程もなく 内幸町とほりつつ なほ行く先は虎の門 議事堂近く建てるなり 三十九、 赤坂區へと入りぬれば 溜池 田町忽ちに 辨慶橋もうちすぎて 四ッ谷見附に至るなり 四十、 また日比谷より街鐵は 數寄屋橋より尾張町 三原橋をば渡りすぎ 木挽町には歌舞伎座よ 四十一、 新富町には新富座 芝居見物するもよし ここは築地よ名も高き 西本願寺のあるところ 四十二、 北島町や坂本町 茅場町より乘りかへて 深川行は靈岸町 すぐればやがて永代よ 四十三、 橋を渡りて深川區 龜住町にゐたるなり ここに名高き富岡 八幡宮を拜むべし 四十四、 茅場町より蠣殼町 水天宮の前をすぎ 人形町よ住吉町 濱町河岸の景色よさ 四十五、 はや兩國の停留所 橋を渡れば本所區 左に折れて總武線 高架鐵道十文字 四十六、 又も左に折れ曲がり 厩橋をばわたりすぎ 黒船町よ小島町 ゆくや上野の廣小路 四十七、 兩國よりは更になお 柳原河岸(やなぎわらがし)とほりすぎ また須田町に來て見れば 實(げ)にや八達四通(はつたつしつふ)の地 四十八、 小川町より九段ゆき 靖國神社に詣でんと 東明館の前をすぎ 俎板橋にゐたるなり 四十九、 坂をのぼれば左には 西南役の記念碑や 右陸軍の偕行社 見わたし廣し景色よし 五十、 靖國神社の廣前(ひろまえ)に 大村 川上兩雄の いさおも高き銅像は 千代も朽ちせぬ世の鑑 五十一、 遊就館に入り見れば 古今の武器や戰利品 國につくししますらおの 肖像高く掲げらる 五十二、 靖國神社に詣ずれば 大君のため國のため 身をつくしたるもののふの 御靈ぞ代代を護るなる 明治三十八年十月 #
by sato_ignis
| 2016-12-12 00:04
| 音楽
一、
如何に狂風吹きまくも 如何に怒涛は逆まくも たとへ敵艦多くとも 何恐れんや義勇の士 大和魂充ち滿つる 我等の眼中難事なし 二、 維新以降訓練の 技倆試さん時ぞ來ぬ 我が帝國の艦隊は 榮辱生死の波分けて 渤海灣内乘り入れて 撃ち滅ぼさん敵の艦 三、 空飛び翔ける砲丸に 水より躍る水雷に 敵の艦隊見る中に 皆々碎かれ粉微塵 艫より舳より沈みつつ 廣き海原影もなし 四、 早くも空は雲晴れて 四方の眺望浪ばかり 餘りに脆き敵の艦 此の戰ひはもの足らず 大和魂充ち滿つる 我等の眼中難事なし ・・・・・・ 伊藤先生,海軍の歌声。横たえたお体から,充ち滿つる気概と気魄。 http://ignis.exblog.jp/25798705/ #
by sato_ignis
| 2016-11-21 23:54
| 講義
ドンカクをなみなみ注いで
コップをまえにおくと ふしょうぶしょうに この世界はうごきだす。 もう、どっこへもゆくところは ない筈なのに、星は、 目をしょぼつかせながら 案内するために、しかたなし もう一度、カンテラをともし 虫のやうに、あるきだす。 ドンカクをなみなみ注いで コップをまえにおくと、 満ちてきた潮が、にわかに 桟橋の杭をたたくような ざわめきがおこる。 僕のうち側でも。 ドンカクをなみなみ注いで コップをまえにおくと、 もとより一滴ものまないで 坐っているこの僕にも、 人間の欲望がふくれあがって 嵐になって吹きあれて、 ナイフが飛び、カーテンが舞い、 僕をのせたまま、椅子が、 ズボンを穿いた女サルトルや、 男にちやらつく四十男とともに、 宙にうかび、天井に脊がはりついて どう取りしずめるすべもない ドンカクをなみなみ注いで コップをまえにおくと コップのふちにつかまって 小さな人魚達が唄をうたう。 “おいで、放蕩者、 お前が死ぬときに 悲しむのは この母一人だよ。 お眠り。私の腕で。 お前がどんな悪党でも 私にはおなじだよ。 かわいい坊やだもの” #
by sato_ignis
| 2016-10-18 16:18
| 詩
秋坐金張館。繁陰晝不開。
空煙迷雨色。蕭颯望中來。 翳翳昏墊苦。沈沈憂恨催。 淸秋何以慰。白酒盈吾杯。 吟詠思管樂。此人已成灰。 獨酌聊自勉。誰貴經綸才。 彈劍謝公子。無魚良可哀。 苦雨思白日。浮雲何由卷。 稷卨和天人。陰陽乃驕蹇。 秋霖劇倒井。昏霧橫絕巘。 欲往咫尺塗。終成山川限。 潨潨奔溜聞。浩浩驚波轉。 泥沙塞中途。牛馬不可辨。 飢從漂母食。閒綴羽陵簡。 園家逢秋蔬。藜藿不滿眼。 蠨蛸結思幽。蟋蟀傷褊淺。 廚竈無青煙。刀机生綠蘚。 投筯解鷫鸘。換酒醉北堂。 丹徒布衣者。慷慨未可量。 何時黃金盤。一斛薦檳榔。 功成拂衣去。搖曳滄洲旁。 #
by sato_ignis
| 2016-10-04 01:32
| 詩
あの人の姿 懐かしい 黄昏の河原町
恋は 恋は 弱い女を どうして泣かせるの 苦しめないで ああ責めないで 別れのつらさ 知りながら あの人の言葉 想い出す 夕焼の高瀬川 遠い日の 愛の残り火が 燃えてる嵐山 すべて すべて あなたのことが どうして消せないの 苦しめないで ああ責めないで 別れのつらさ 知りながら 遠い日は 二度と帰らない 夕やみの東山 苦しめないで ああ責めないで 別れのつらさ 知りながら 遠い日は 二度と帰らない 夕やみの桂川 #
by sato_ignis
| 2016-09-21 02:37
| 音楽
オオ 今も昔も変わらないはずなのに なぜこんなに遠い
本当のことを云って下さい これがボクらの道なのか あらい風に吹かれても つづくこの道を ボクらの若い力で 歩いて行こう オオ 今も昔も変わらないはずなのに なぜこんなに遠い 本当のことを云って下さい これがボクらの道なのか 輝く大きな森の中に 足をふみこめば 若い力のかけらもなく あるのは死にたえた草木 オオ 今も昔も変わらないはずなのに なぜこんなに遠い 本当のことを云って下さい これがボクらの道なのか #
by sato_ignis
| 2016-09-18 12:16
| 音楽
おまえが生まれて間もない日。
禿鷹のように そのひとたちはやってきて 黒い革鞄のふたを あけたりしめたりした。 ——生命保険の勧誘員だった。 (ずいぶん お耳がはやい) 私が驚いてみせると その人たちは笑って答えた。 <匂いが届きますから> 顔の貌さえさだまらぬ やわらかなお前の身体の どこに 私は小さな死を わけあたえたのだろう。 もう かんばしい匂いを ただよわせていた というではないか。 #
by sato_ignis
| 2016-09-10 19:21
| 詩
生誕ここに一年(ひととせ)と 春は再び廻り來ぬ
草木緑に萌え出でて 雲雀は高く歌ふなり 若き誇りの二百人 光を浴びて丘に立つ 搖れたち昇る陽炎や ふりさけ見れば紫の 一抹佐渡が島霞 薔薇色雲よ眞白帆よ 希望憧憬(のぞみあこがれ)わが象徴(すがた) 乘せて漂ふ青海波 ああ青春の喜びは 胸に溢れて熱き血の 漲る吾れが腕かな さはれ微かにひそかにも かすりて過ぐる悒愁の 黒き眸に涙あり そは歡樂に悲哀(かなしみ)を ふと思ひ出し若人が やがて來るべき烈日の 激しき戰知ればにか 運命(さだめ)の前の凋落の 一葉の影思へばか 無心の砂は崩れ來て 鳶は舞ひ居り悠久を この麗日の丘の上 頌春の歌あはせつゝ 贅なき宴催せば 散りこそかかれ花の雪 大正九年寮歌 #
by sato_ignis
| 2016-09-10 18:32
| 音楽
人絢爛の美にただれ 世は混沌の夢を追ふ
百歳(ももせ)の計を慮ふ兒等 來りて結べ雄津ケ原 見やれば北に翠巒の 山背は高く軟弱の 都の塵をさへぎりて 聖境ここに彌高し 遙かに指せば南溟の 巨浪の送る覇氣を容れ 爲すある秋(とき)を偲びつつ 三歳の雌伏なさんかな 想は馳する南歐の 燈ともし頃の雲の色 チューリンゲンの病葉よ ユングフラウの影淡し 夕陽(せきやう)沈む鏡畔(きやうはん)の 神祕にふるふ黄昏よ 二十歳の胸に迫り來る 詩聖の域を我ぞ知る 自由の寮に育まれて 時世(ときよ)の道に從へど 感激の無き人生を 空虚(うつろ)と拒め若人よ 去就の岐路に踏み迷ふ 人幾億の導きに 我等はなさむ人の世の 理想の偉業建設を 理想の偉業建設を 大正十三年寮歌 #
by sato_ignis
| 2016-09-10 18:19
| 音楽
皆様、昨日は僕の話に耳を傾けてくださり、ありがとうございました。
また、貴重な機会をくださった里先生に感謝申し上げます。 さて、生意気ながら授業の感想を述べさせていただきます。 まず、皆様の、里先生の熱意に応えるような真剣な眼差しと、ピュアな反応が、僕にはとても新鮮にうつりました。 非常に良い空間で勉学に励まれているのだなと思い、羨ましくもなったほどでした。 先輩として、僕自身の考えや経験をもとに話をさせていただきましたが、あくまで参考程度に、決して迎合はなさらないでください。 この先、皆様それぞれに与えられた時間の中で、ご自身で経験されたことから気づきを得てください。 良い気づきをたくさん、たくさん重ねて欲しいと願っております。 知識、共通言語、という話を最後の方でしたように思います。 皆様に伝えたかったことがあります。 知らないことは恥ずかしいことではない。 むしろ、知る喜びがあります。 人はみな、最初は絵の描き方も、言葉すらも知らないところからスタートします。 美術に関して、常に今がスタートラインだと思って、真剣になれる事柄にさらに興味を持ち、たくさんの出会いの中で、だんだんと言葉や、知識を増やしていってください。 僕自身、まだまだ知らないことも多く、もっと勉強しなければと常日頃思います。 一生勉強ですね。 僕自身、この先も作家として生きていくつもりですが、何年かした後に、またどこかで、お互いがつくり手としてお会いできれば嬉しいです。 僕のような未熟者が言うのも憚られますが、お互いに人生を楽しみながら、創作に励んでいきましょう。 皆様に負けないよう、僕も頑張ります。 よく食べ、よく遊び、よく学び、ぞんぶんに創作を楽しんでください。 それから、才能と天才は違います。才能は育むものです。自分は自分の才能を育めると信じて欲しい。信じてください。 受験には結果がつき物ですが、皆様の受験までの日々が充実したものになることを、心よりお祈りいたします。 ではまたどこかで。 頑張ってください。 井田幸昌 #
by sato_ignis
| 2016-08-26 03:00
| 講義
酒がのみたい夜は
酒だけでない 未来へも罪障へも 口をつけたいのだ 日のあけくれへ うずくまる腰や 夕ぐれとともにしずむ肩 酒がのみたいやつを しっかりと砲座に据え 行動をその片側へ たきぎのように一挙に積みあげる 夜がこないと いうことの意味だ 酒がのみたい夜はそれだけでも 時刻は巨きな 枡のようだ 血の出るほど打たれた頬が そこでも ここでも まだほてっているのに 林立するうなじばかりが まっさおな夜明けを まちのぞむのだ 酒がのみたい夜は 青銅の指がたまねぎを剥き 着物のように着る夜も ぬぐ夜も 工兵のようにふしあわせに 真夜中の大地を堀りかえして 夜明けは だれの ぶどうのひとふさだ <サンチョ・パンサの帰郷> cf. 「さびしいと いま」石原吉郎 http://ignis.exblog.jp/8099014/[ 2008-02 -26 22:30 ] 「事実」石原吉郎 http://ignis.exblog.jp/8099017/[ 2008-02 -26 22:31 ] #
by sato_ignis
| 2016-08-26 02:49
| 詩
一度も会わないことだってある
すれ違いすらしないことだってある 渦巻くグラスの中に浮かんでいる 自分が見えるのはいつの日のことか 気が付かないで通り過ぎていくのが一番いい 出会った時が一番いい いつか目が覚めない朝を迎える日が来る 長い夜は短い朝に会うためにあるのか 一度も会わないことだってある すれ違いすらしないことだってある #
by sato_ignis
| 2016-08-26 02:44
| 音楽
京都の秋の夕暮れは コートなしでは寒いくらいで
丘の上の下宿屋はいつも ふるえていました 僕はだれかの 笑い顔が見られることより うつむきかげんの彼を 見つけたかったんです ひもじい気持ちも あまりに寒いせいか 感じなかったようです ただ たたみの上で 寝ころびたかったんです やさしすぎる 話のうますぎる 彼らの中にいるより うすぎたないカーテンのむこうの 裸電球の下に すわりたかったんです 彼はいつも誰かと そして何かを待っていた様子で ガラス戸がふるえるだけでも 「ハイ」って答えてました その歯切れのいい言葉は あの部屋の中にいつまでも残っていたし 暗やみで何かを待ちつづけていた姿に 彼の唄を見たんです 湯のみ茶わんにお湯を いっぱいいれてくれて 「そこの角砂糖でもかじったら」 って言ってくれました その時「ありがとう」と答えて うつむいたのは 胸が痛み出したことと 僕自身の後ろめたさと・・・ かわききったギターの音が 彼の生活で そして 湿気の中にただひとつ ラーメンのこうばしさが唄ってたみたいです 不精ひげの中から ため息が少し聞こえたんですが 僕にはそれが 唄のように聞こえたんです 一杯呑み屋を 出てゆくあんたに むなしい気持ちが わかるなら 汚れた手のひら 返してみたって 仕方ないことさ あせって走ることはないよ 待ちつかれて みることさ ため息ついても 聞こえはしないよ それが 唄なんだ 僕が歩こうとする道にはいつも 彼の影が映ってたみたいです 小さな影でしたが 誰だってその中に入りこめたんです それから 彼の親父が 酔いどれ詩人だったことを知り 今僕が こうしてるから 彼こそ本当の詩人なのだと言いきれるのです 新しいお湯が シュンシュン鳴った時 ラーメンをつくってくれて そして ウッディやジャックを 聞かしてくれたんです それから僕が 岩井さんやシバ君と会えたのも すべて この部屋だったし すべて 僕には唄だったのです 何がいいとか悪いとか そんなことじゃないんです たぶん僕は 死ぬまで彼になりきれないでしょうから ただその歯がゆさの中で 僕は信じるんです 唄わないことが一番いいんだと 言える彼を 一杯呑み屋を 出てゆくあんたに むなしい気持ちが わかるなら 汚れた手のひら 返してみたって 仕方ないことさ あせって走ることはないよ 待ちつかれて みることさ ため息ついても 聞こえはしないよ それが 唄なんだ #
by sato_ignis
| 2016-08-26 02:24
| 音楽
ほんとのことが言えたらな
目が見たことが言えたらな 思ったことを便りに書けたらな 頭の上を吹く風よ 仲間がいま何をしているのか聞かせてくれ 彼はいま何を見ているのか もうひとりの彼は何を考えているのか 遠くの彼はだれと心を通じているのか あのひとの目は何を言おうとしていたのか そんな気持が歌に うたえたらな 優しさが音に表せたらな そしたらぼくはぼくになれるのにな cf. 朝倉勇 金子光晴さんと、ぼく 2011.06.17 http://www.tcc.gr.jp/relay_column/show/id/2974 #
by sato_ignis
| 2016-08-24 01:08
| 音楽
灯を消して
床に体を横たえると ノートに書き写したことのある 詩の一節が思われて来る 眠っているものからは降るのだ 棚引いている雲からのように 重力の豊かな雨が リルケの「重力」と題された詩の終連なのだが 私 このとき 微笑を浮かばせている わが身を横たえて識る わが身から降るゆたかな雨に 私は微笑をむけている その微笑は 私がはじめて生んだ子に 乳房をふくませていたときの微笑に結ばれているように思う 私が看護した兵士の 高熱の中で呼びつづけていたかすかな声の女名前に 私が答えていたときの 兵士の微笑 私の微笑にも似ているように思う 遠い過去の年月から 立ちもどって来た私の微笑よ 闇に白い花が開いてゆく 白いむくげの花のような 私が私自身にむける微笑の花を闇に咲かせて 私は眠りに入ってゆく 私はもういまは 悲しみに眠れない夜を持ちたいとは思わない 闇に目を開いたまま悲しみを見つめつづける力も消え去っている 私の心はもうどこへ行くこともなく私の中にあって 私を眠りに引き入れてゆく 毎夜 私はそうして眠る 私一人を包む闇の 眠りの平和を思って…… 窓の外の軒下には 白猫が眠っている 昼間何度かこの家の庭に来て縁の敷居に前足をかけ 家の中をのぞき見している猫 宿のない猫が この家の軒下に来て眠っている 猫もいまは雀を追うこともなく 庭の柿の木の幹で爪を研ぐこともなくなっていた 猫も白い花になっている 詩集『夢の手』1986年 #
by sato_ignis
| 2016-08-16 00:53
| 詩
C氏の芸術理論をひと言でいえば、芸術とは、人間がみずからの内部の曖昧な感情をのぞきこみ、それを言葉やかたちや音によって定着し、何よりも自分自身のために、その感情を明確化する営みにほかならない。けだし、人間はみず からの感情の動揺によって苦しむ動物であるが、とりわけ苦しいのは内部に何かしら無形の衝動が渦巻いていて、しかも、その気分の性質がわれながら名状しがたいときであろう。芸術はまさにそういう人間にたいする救済としてあるのであり、その混滝たる感情に輪郭をあたえ、指さして語りうる明快なものに変えて、彼の意識の支配下に置く活動なのである。表現とは、第一義的にそうした感情発見の作業なのであり、外に相関物を作ることによって自己の内面を確認する営みであって、およそ、内部にある既知の何ものかを外に投げ出す仕事ではない。そのさい、人間の感情はおおむね外の世界にかかわる感情であるから、内部を明確化するということは、同時に、彼自身にとっての外界を明確化することにほかならない。その意味で、芸術はまた、感情を通じてものを正しく見さだめる方法なのであり、科学や哲学と並んで、それとは別の方法によるもうひとつの世界認識の営みだ、と見ることもできる。単純化していえば、人間は自分の心に映っているものについて、それを外に描くことによってよく見るのであり、歌うことによって聞くのであり、語ることによって知るのであり、つまりは、表現することによって認識するのである。
そして、芸術がまさにこういうものであるとすれば、それは行動の構造の点で、現実生活の大部分を占める技術活動とは正反対のものにならざるをえない、というのがC氏の主張であった。なぜなら、技術活動がその出発点において特定の目的を持ち、みずからが何をめざしているかを明確に知っているのにたいして、芸術活動はまさに、それを知らないところから出発する行動だからである。 ひとりの指物師が机を作る場合、彼は、あらかじめその机の厳密な設計図を持ち、それを作るに適当な限定された手段を持ち、かねて詳細に決められた工程と手順にしたがって、おもむろに制作の実行を進めることになる。しかし、ひとりの詩人が詩を作る場合、あらかじめ彼の胸中にあるのは漠然とした気分の混沌と、それを言葉で表現したいとい う曖昧な願望だけであって、そのための設計図はもとより、限定された手段も詳細な工程も存在しない。彼は、その漠然たる気分を見きわめようとして、それに適切な言葉をあれこれと選ぶのであるが、このとき彼はまだ自分が何にたいして適切な言葉を選んでいるのかをさえ知らない、といえる。やがて詩人は、思考錯誤のすえに、ようやく自分の感情をいいあてた一連の言葉を見いだすであろうが、じつはそのとき、彼は言葉とともに、初めて自分の感情そのものを見いだしたといわねばならない。指物師の仕事になぞらえれば、詩人はこの段階にいたって、ついに自分の目的とその手段を知ったことになるが、しかし、その瞬間、彼の詩はたんなる設計図ではなく、すでに完全な作品としてできあがっている。一面では、指物師が仕事の出発点についたとき、詩人はまだ自分の出発点すら知らないのであるが、逆にいえば、指物師がようやく出発点についた段階で、詩人はすでに自分の仕事を終わっているともいえるのである。 要するに、芸術活動は技術活動とはちがって、そのなかに目的と手段の区別がなく、材料と完成品の区別がなく、企 画段階と実行段階の区別がなく、いうならば、行動の目的と過程の区別のない行動だ、と見ることができる。技術活動 が、目的をめざしてひたすら前方へと進む行動だとすれば、芸術活動は、むしろ、出発点を見つめつつあとしざりに進 む行動だ、ともいえるだろう。進むにつれて、芸術家の眼にはその後の世界が大きく見えるのであり、いいえれば、自分を出発点において駆り立て、いまも衝き動かしている力の姿が大きく見えるのである。いわば、彼は自分の出発点の含蓄を知り、その全体像を見きわめるためにあとしざるのであって、やがてその全貌が残りなく見えた時間、彼は自分の行動そのものを完結したといえる。 #
by sato_ignis
| 2016-08-01 17:01
| 講義
勉強が楽しいという若者は別である。私は若い頃から人並み以上に、勉強が好きだったと記憶している。しかし、その私でも、勉強が全然苦でなかったといえば、それは嘘になる。勉強という字は「勉め強いる」である。たいていの人にとって、それは苦痛をともなうものである。そんな苦しい勉強というものを、しかも、将来必ずしも役に立ちそうにもないにもかかわらず、しかも、日常的に使うたし算、ひき算等以外はほとんど忘れてしまうにもかかわらず、なぜ、勉強をしなければならないのか。この問いに対する答えは、実は、私にもわからない。それでも私は若者に向かって、断固迷いなく「勉強しなさい」と言う。
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by sato_ignis
| 2016-07-27 04:01
| 講義
近頃鐵道大臣官房研究所を見學する機會を得て、始めてこの大きなインスチチュートの内部の樣子をかなり詳しく知ることが出來た。名前だけ聞いたところではたいさういかめしいお役所のやうな氣がして、書類の山の中で事務や手續きや規則の研究をしてゐる所かと想像してゐたのであるが、事實はまるで反對で、それは立派な応用科學研究所であつて多數の實驗室にはそれぞれ有爲な學者が居て色々有益で興味のある研究をしてゐるのであつた。
色々見せてもらつたものの中で面白かつたものの一つは「鉛をかじる蟲」であつた。低度の顯微鏡でのぞいてみると、一寸穀象のやうな恰好をした鉛のやうな鼠色の昆蟲である。これが地下電線の被覆鉛管をかじつて穴を明けるので、そこから濕氣が侵入して絶縁が惡くなり送電の故障を起こすのださうである。實に不都合な蟲であるが、怒つてみたところで相手が蟲では仕方がない。怒る代りに研究をして防禦法を講じる外はないであらう。 蟲の口から何か特殊な液體でもだして鉛を化學的に侵蝕するのかと思つたが、さうでなくて、矢張り本當に「かじる」のださうである。その證據にはその蟲の糞が矢張り「鉛の糞」だと云ふ。なるほど顯微鏡下にある糞の標本を見ると矢張り立派な鉛色をしてゐるやうである。 これらの説明を聞いた時に不思議に思はれたのは、鉛を食つて鉛の糞をしたのでは、云はば米を食つて米の糞をするやうなもので、いつたいそれがこの蟲のために何の足しになるかと云ふことである。米の中から榮養分を攝取して殘餘の不用なものを「米とは異なる糞」にして排泄するのならば意味は分かるが、この蟲の場合は全く諒解に苦しむと云ふより外はない。 『西遊記』の怪物孫悟空が刑罰のために銅や鐵のやうなものばかり食はされたと云ふお伽話はあるが、動物が金屬を主要な榮養品として攝取するのは甚だ珍しいと云はなければなるまい。もつとも、人間にでもきはめて微量な金屬が非常に必要なものであると云ふことは、近頃だんだんに分かりかけて來てゐるやうではあるが、しかしそれは食物全體に對して10のマイナス何乘と云ふやうな微少な量である。この蟲のやうに自分の體重の何倍もある金屬を食つて、その何十プロセントを排泄すると云ふのは全く不思議と云ふより外はないであらう。 何のために鉛をかじるかが疑問である。送電線の被覆鉛管の内部にどんなものがはいつてゐるか、そんなことを蟲が知つてゐようとは思はれないから、蟲の目的は矢張り鉛自身にあることは明白である。それなら單なる道樂かと云ふに、蟲が道樂をすると云ふのも受取りにくい假説である。何かしらこの蟲の生存に必需な生理的要求のために本能的にかじると考へる外はないやうに思はれる。 こんな疑問を起こしてゐるうちに、妙なことを聯想した。 われわれが小學校中學校高等學校を經て大學を卒業するまでの永い年月の間に修得したはずの智識は、分量で測ることが出來るとすればずいぶん多量なものであらうと思はれる。十七、八年の間かじりつづけ、呑み込みつづけて來た智識のどれだけのプロセントが自分の身の養ひになつてゐるかと考へてみても、これは一寸容易には分かりかねる六つかしい問題である。しかし、ともかくも、學校で教はつたことの少なくも何十プロセントは綺麗に忘れてしまつてゐて、例へば自分等の子供に質問されて即坐に明答を與へることが出來ない程度にまで意識の圈外に排泄してしまつてゐるのは事實であるらしい。 そんなに綺麗に忘れてしまふくらゐならば始めから教はらなくても同じではないかと云ふ疑問が起こるとすれば、これは自分が今この鉛を食ふ蟲に對して抱いた疑問と少し似た所がある。 「知らない」と「忘れた」とは根本的にちがふ。これは云ふまでもないことである。しかしそれが全く同じであるとしても、忘れなかつた僅少なプロセントがその人にとつてはもつとも必要な全部であるかもしれないのである。 世の中に工率百プロセントの器械は一つもない。注ぎ込んだエネルギーの一部は必ず無駄になつて消費される。電燈の場合などでも肝腎の光になるエネルギーは消費される電力の割合にわづかな小部分で、あとはみんな不必要な熱となつて宇宙に放散する。この、物質界に行はれる原理を、鉛を食ふ蟲の場合の生理的現象に応用する譯には行かないし、云はんや人間の精神現象に持ち込むべき所由はもとよりない。それにもかかはらず「無駄を伴はない滓を出さない有益なものは一つもない」と云ふ言明は、どうも少なくも一つの作業假説として試みに使つてみても云ひやうに思はれる。この假説を許容するか、しないかで結果には非常な差を生じる。この假説が眞ならば、無駄をしないやうにするには結局有益なことを一つもしないと云ふより外はなくなる。また有益なことをするためには結局なるべく無駄を澤山にするやうにしなければならないと云ふことにもなるかもしれない。しかしこの假説が誤りであつて「無駄のない有益なものが可能であり、それが當然である」とすると、無駄は罪惡でないまでも不當然であり不都合である。從つて、さう云ふ咎を受けないためには、結局矢張り何もしないで、ぢつとしてゐるのがいいことになるのである。さうなればすべての活動は停止して冬眠の状態に陷つてしまふであらう。それならばまだまだ安全であるが、排泄物をなくするために食物を全廢すれば餓死するより外はない。 鉛をかじる蟲も、人間が見ると能率ゼロのやうに見えても實はさうでなくて、蟲の方で人間を笑つてゐるかもしれない。人間が山から莫大な石塊を掘りだして、その中から微量な貴金屬を採取して、殘りの殆ど全質量を抛棄してゐるのを見物して、現在の自分と同じやうなことを云つてゐるかもしれない。 かう考へてみると、道樂息子でも矢張り學校へやつた方が云ひやうに思はれ、分からないむづかしい本でも讀んだ方が云ひやうであり、ろくでもない研究でも、しないよりはした方が云ひやうにも思はれ、またこんな下らない隨筆でも書かないよりは書いた方が云ひやうにも思はれてくるのである。 (昭和八年一月『帝國大學新聞』) #
by sato_ignis
| 2016-07-27 03:48
| 講義
1 The parable of the lost sheep: 8 Of the piece of siluer: 11 Of the prodigall sonne.
The lost sheepe, and prodigall sonne. 1 Then drew neere vnto him all the Publicanes and sinners, for to heare him. 2 And the Pharises and Scribes murmured, murmured, saying, This man receiueth sinners, and eateth with them. 3 ¶ And he spake this parable vnto them, saying, 4 What man of you hauing an hundred sheepe, if he loose one of them, doth not leaue the ninety and nine in the wildernesse, and goe after that which is lost, vntill he find it? 5 And when he hath found it, hee layeth it on his shoulders, reioycing. 6 And when he commeth home, he calleth together his friends, and neighbours, saying vnto them, Reioyce with me, for I haue found my sheepe which was lost. 7 I say vnto you, that likewise ioy shall be in heauen ouer one sinner that repenteth, more then ouer ninety and nine iust persons, which need no repentance. 8 ¶ Either what woman hauing ten pieces of siluer, if she lose one piece, doth not light a candle, and sweepe the house, and seeke diligently till shee find it? 9 And when she hath found it, she calleth her friends and her neighbours together, saying, Reioyce with me, for I haue found þe piece which I had lost. 10 Likewise I say vnto you, there is ioy in the presence of the Angels of God, ouer one sinner that repenteth. 11 ¶ And hee said, A certaine man had two sonnes: 12 And the yonger of them said to his father, Father, giue me the portion of goods that falleth to me. And he diuided vnto them his liuing. 13 And not many dayes after, the yonger sonne gathered al together, and tooke his iourney into a farre countrey, and there wasted his substance with riotous liuing. 14 And when he had spent all, there arose a mighty famine in that land, and he beganne to be in want. 15 And he went and ioyned himselfe to a citizen of that countrey, and he sent him into his fields to feed swine. 16 And he would faine haue filled his belly with the huskes that the swine did eate: & no man gaue vnto him. 17 And when he came to himselfe, he said, How many hired seruants of my fathers haue bread inough and to spare, and I perish with hunger? 18 I will arise and goe to my father, and will say vnto him, Father, I haue sinned against heauen and before thee. 19 And am no more worthy to be called thy sonne: make me as one of thy hired seruants. 20 And he arose and came to his father. But when he was yet a great way off, his father saw him, and had compassion, and ranne, and fell on his necke, and kissed him. 21 And the sonne said vnto him, Father, I haue sinned against heauen, and in thy sight, and am no more worthy to be called thy sonne. 22 But the father saide to his seruants, Bring foorth the best robe, and put it on him, and put a ring on his hand, and shooes on his feete. 23 And bring hither the fatted calfe, and kill it, and let vs eate and be merrie. 24 For this my sonne was dead, and is aliue againe; hee was lost, & is found. And they began to be merie. 25 Now his elder sonne was in the field, and as he came and drew nigh to the house, he heard musicke & dauncing, 26 And he called one of the seruants, and asked what these things meant. 27 And he said vnto him, Thy brother is come, and thy father hath killed the fatted calfe, because he hath receiued him safe and sound. 28 And he was angry, and would not goe in: therefore came his father out, and intreated him. 29 And he answering said to his father, Loe, these many yeeres doe I serue thee, neither transgressed I at any time thy commandement, and yet thou neuer gauest mee a kid, that I might make merry with my friends: 30 But as soone as this thy sonne was come, which hath deuoured thy liuing with harlots, thou hast killed for him the fatted calfe. 31 And he said vnto him, Sonne, thou art euer with me, and all that I haue is thine. 32 It was meete that we should make merry, and be glad: for this thy brother was dead, and is aliue againe: and was lost, and is found. 4 Matth. 18 12. 8 Drachma heere translated a piece of silver, is the eight part of an ounce which commeth to seven pence halfe penie, and is equall to the Romane penie, Mat. 18. 28 https://archive.org/stream/1611TheAuthorizedKingJamesBible/1611%20The%20Authorized%20King%20James%20Bible#page/n1303/mode/2up #
by sato_ignis
| 2016-07-08 03:10
| 講義
第二 不放逸の部
二一 不放逸は不死に到り、放逸は死に到る、不放逸の者は死せず、放逸の者は死せるに同じ。 二二 明かに此の理を知りて善く不放逸なる人々は不放逸を歡こび、聖者の境界を樂しむ。 二三 彼等は靜慮し、堅忍し、常に勇猛に、聰慧にして無上安穩の涅槃を得。 二四 奮勵し、熟慮し、淨き作業を勉め、自ら制し、如法に生活し、不放逸なれば、其人の稱譽は増長す。 二五 奮勵により、不放逸により、制禦により、又訓練により智者は暴流に漂蕩せられざる洲を作るべし。 *洲―避難處又は歸依處の義。 二六 愚なる凡夫は放逸に耽る、智者は不放逸を護ること猶ほ珍財を護るが如くす。 二七 放逸に耽る勿れ、欲樂を習ふ勿れ、靜慮不放逸なる人は大なる樂を得。 二八 不放逸により放逸を却けたる識者は智慧の閣に昇り、憂なく、憂ある人を觀る、山上に居る人が平地の人を(觀るが)如く、泰然として愚者を觀る。 二九 逸放の中に在りて不放逸に、眠れる中に處して能く寤めたる賢人は駿馬の如く駑馬を後にして進む。 三〇 摩掲梵は不放逸によりて諸神の主となるを得たり、人咸な不放逸を稱讚す、放逸は常に非難せらる。 *摩掲梵―寛仁の義にして因陀羅の一名。 三一 不放逸を樂しみ放逸を畏るゝ出家は行きつゝ粗細の結を燒く、猶ほ火の如し。 *行きつゝ―世に生活しつゝの義。 *結―煩惱の異名。 三二 不放逸を樂しみ放逸を畏るゝ出家は退轉するの理なし、彼は既に涅槃に近づけり。 #
by sato_ignis
| 2016-07-08 02:25
| 講義
Wonderful world, beautiful people
You and your girl, things could be pretty But underneath this there is a secret That nobody can reveal Take a look at the world And the state that seems today I am sure you'll agree We all could make it a better way With our love, put together Everybody learn to love each other Instead of fussing and fighting Cheating, backbiting Scandalizing and hating Baby we could have a Wonderful world, beautiful people You and your girl, things could be pretty But underneath this there is a secret That nobody can reveal Man and woman, girl and boy Let us try to give a helping hand This I know and I'm sure That with love we all could understand This is our world, can't you see? Everybody wants to live and be free Instead of fussing and fighting Cheating, backbiting Scandalizing and hating We could have a Wonderful world, beautiful people You and your girl, things could be pretty But underneath this there is a secret That nobody can reveal Talking about the Wonderful world, beautiful people You and your girl, talking about you... Things could be pretty, talking about me... Jimmy Cliff - LIVE Midem 1970 To the real world! How about you, me and us? #
by sato_ignis
| 2016-07-08 01:18
| 音楽
1 Christ foretelleth the destruction of the Temple: 9 the persecutions for the Gospel: 10 that the Gospel must bee preached to all nations: 14 that great calamities shall happen to the Iewes: 24 and the maner of his comming to Iudgement: 32 The houre whereof, beeing knowen to none, euery man is to watch and pray, that we be not found vnprouided, when he commeth to each one particularly by death.
Hated for Christ. 1 And as he went out of the Temple, one of his disciples saith vnto him, Master, see what maner of stones, and what buildings are here. 2 And Iesus answering, said vnto him, Seest thou these great buildings? there shall not be left one stone vpon an other, that shal not be throwen downe. 3 And as he sate vpon the mount of Oliues, ouer against the Temple, Peter, and Iames, and Iohn, and Andrew asked him priuately, 4 Tell vs, when shall these things be? And what shalbe the signe when all these things shalbe fulfilled? 5 And Iesus answering them, began to say, Take heed lest any man deceiue you. 6 For many shal come in my Name, saying, I am Christ: and shall deceiue many. 7 And when yee shall heare of warres, and rumors of warres, be yee not troubled: For such things must needs be, but the end shall not be yet. 8 For nation shall rise against nation, and kingdome against kingdome: and there shalbe earthquakes in diuers places, and there shall be famines, and troubles: these are the beginnings of sorrowes. 9 ¶ But take heed to your selues: for they shall deliuer you vp to councels, and in the Synagogues ye shall be beaten, and ye shalbe brought before rulers and kings for my sake, for a testimony against them. 10 And the Gospel must first be published among all nations. 11 But when they shall lead you, and deliuer you vp, take no thought before hand what ye shall speake, neither doe yee premeditate: but whatsoeuer shall bee giuen you in that houre, that speake yee: for it is not yee that speake, but the holy Ghost. 12 Now the brother shall betray the brother to death, and the father the sonne: and children shall rise vp against their parents, and shall cause them to be put to death. 13 And ye shall bee hated of all men for my Names sake: but hee that shall endure vnto the ende, the same shall be saued. False Christs. 14 ¶ But when ye shall see the abomination of desolation spoken of by Daniel the Prophet, standing where it ought not (let him that readeth vnderstand) then let them that be in Iudea, flee to the mountaines: 15 And let him that is on the house top, not goe downe into the house, neither enter therin, to take any thing out of his house. 16 And let him that is in the field, not turne backe againe for to take vp his garment. 17 But woe to them that are with child, and to them that giue suck in those dayes. 18 And pray ye that your flight bee not in the winter. 19 For in those dayes shall be affliction, such as was not from the beginning of the creation which God created, vnto this time, neither shall be. 20 And except that the Lord had shortened those dayes, no flesh should be saued: but for the elects sake whome he hath chosen, he hath shortned the daies. 21 And then, if any man shall say to you, Loe, here is Christ, or loe, hee is there: beleeue him not. 22 For false Christs and false prophets shall rise, and shall shewe signes and wonders, to seduce, if it were possible, euen the elect. 23 But take ye heed: behold, I haue foretold you all things. 24 ¶ But in those dayes, after that tribulation, the Sunne shalbe darkned, and the Moone shall not giue her light. 25 And the Starres of heauen shall fall, and the powers that are in heauen shall be shaken. 26 And then shal they see the Sonne of man comming in the cloudes, with great power and glory. 27 And then shal he send his Angels, and shall gather together his elect from the foure winds, from the vttermost part of the earth, to the vttermost part of heauen. 28 Now learne a parable of the fig tree. When her branch is yet tender, and putteth forth leaues, ye know that summer is neere: 29 So ye in like maner, when ye shal see these things come to passe, knowe that it is nigh, euen at the doores. 30 Uerely I say vnto you, that this generation shall not passe, till all these things be done. Watch and pray. 31 Heauen and earth shal passe away: but my words shall not passe away. 32 ¶ But of that day and that houre knoweth no man, no not the Angels which are in heauen, neither the Son, but the Father. 33 Take ye heed, watch and pray: for ye know not when the time is. 34 For the Sonne of man is as a man taking a farre iourney, who left his house, and gaue authority to his seruants, and to euery man his worke, and commanded the porter to watch: 35 Watch ye therefore (for ye knowe not when the master of the house commeth, at Euen, or at midnight, or at the cocke crowing, or in the morning.) 36 Lest comming suddenly, he finde you sleeping. 37 And what I say vnto you, I say vnto all, Watch. 1 Matth.24. 1. 4 Matth.24. 3. 8 The word in the originall, importeth, the paines of a woman in trauaile. 11 Matth.10. 19. 14 Matt.24. 15. 21 Matt.24. 23. 24 Matt.24. 29. 33 Mat.24.42 cf.https://archive.org/stream/1611TheAuthorizedKingJamesBible/1611%20The%20Authorized%20King%20James%20Bible#page/n1273/mode/2up #
by sato_ignis
| 2016-07-02 08:06
| 講義
男一匹 やるだけやれば 何のこの世に 未練があらう
吹けよ龍卷 阿爾泰越えて 俺もゆきたや 命の限り 胸に祕めたる 男の夢は 女なんかにや 分かりようものか 顎でしやくりよか 小指でやりよか 馬賊三千 砂塵を卷いて 俺が死んだら 裸のままで ゴビの砂漠に うつちやつてお呉れ どうせこの身にや 狼の血が 親の代から 流れてやまぬ #
by sato_ignis
| 2016-06-28 06:34
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