汝は朕が股肱ぞと 詔して畏くも
日本帝國軍人に 下し給ひし五ヶ條の 大御訓に宣わく
日本帝國軍人は 忠烈國に報ゆべし
山嶽よりも義は重く わが本分を誤りて 不覺の汚名を取る勿れ
如何に隊伍は整ひて 節制亂れずありとても
忠節存せぬ軍隊は 烏合の兵に異らず いかでか敵に當るべき
國家の保護と國權の 維持とは兵の力なり
兵力ふるひて國强し 世論にまどはず軍人は ただ忠節を盡くすべし
日本帝國軍人は 互に禮儀を正しくし
上を敬ひよくつとめ 下を惠みて侮らず 上下一致し和諧せよ
武勇は帝國臣民の 古來尙ぶところにて
ことに戰地に打ちのぞみ 敵に當るの軍人は 片時も之を忘るまじ
義理を辯え膽を練り 小敵たりとも侮らず
大敵たりとも怯れざる 心ぞ眞の勇氣なる 血氣の勇は勇ならず
重んずべきは信義なり もし其の事の初めより
守らるまじと悟りなば それをば思ひとどまりて 諾せし事は履行せよ
順逆理非にふみ迷ひ 私情の信義に覇されて
あたら汚名を後世に 遺す例も多ければ 深く愼み戒めよ
文弱驕奢を退けて 旨とすべきは質素なり
質素一たび敗れなば 貪汚の風に陷りて 世にきらはるるに至るべし
かかる惡習軍人の 間に一度び起りなば
士氣も兵氣もおとろへん 汝等軍人なほざりに この訓戒をなす勿れ
ああ我帝國軍人は 我が大君の御敎を
肝に銘じて進退し みいつのもとに帝國を 誓つて保護せん諸共に