わてな、中橋の加賀屋佐吉方から参じました。へえ。先度、仲買いの弥市が取り次ぎました道具七品のうち、祐乗光乗宗乗三作の三所物(みところもん)。ならびに備前長船の則光、四分一拵え横谷宗珉小柄付きの脇差な、あの柄前は旦那はんが古鉄刀木(ふるたがや)と言やはったが、あれ埋れ木やそうで、木が違うておりますさかいにな、念のため、ちょっとお断り申します。
次はのんこの茶碗、黄檗山金明竹ずんどの花活、古池や蛙とびこむ水の音と申します。あら、風羅坊正筆の掛け物、沢庵木庵隠元禅師張りまぜの小屏風、あの屏風はなあもし、わての旦那の檀那寺が兵庫におましてな、へい、その兵庫の坊主の好みまする屏風じゃによって、表具にやり、兵庫の坊主の屏風にいたしますとな、かよう、お言伝願います。