アメリカを横断していた時、ある大きな会社の社長に出会いました。彼は私にこんな話をしてくれました。「Mr.サト、指導者には二種類あります。リーダーと、マネージャーです。リーダーは集団が『どの』壁を乗り越えるかを決める人で、マネージャーは集団が『どう』その壁を乗り越えるかを考える人です。」帰国の機上で、私はそのコトバを、くりかえしくりかえしつぶやいていました。
もちろん、これは集団における話です。しかし、私には私たちひとりひとりにも同じことが言えるように思えるのです。私たちは、私たち自身のリーダーであり、マネージャーでもあるのではないでしょうか。なぜなら、私たちが生きてゆくなら、私たちが『どの』壁を乗り越えるかを決めるのは、そして『どう』その壁を乗り越えるかを考えるのは、私たち自身だからです。アタリマエのようですが、決め、考えて、君の壁を乗り越える人は、私ではありません。それは世界でたったひとり。君の壁の前に立つ、君なのです。
あの合宿で、君は、どれだけ高く厚い壁を乗り越えたのでしょう。さけぶような、ふるえるような達成感は、決め、考え、力強く挑み、壁を乗り越えた君だけのものです。そして、あの日ひとつの壁を乗り越えた君には、今日もうひとつの壁が見えていることでしょう。目の前の壁は、もしかしたら、君の成長そのものを、君に教えてくれているのかもしれません。
もうすぐ受験ですね。しかし、受験はひとつの壁にすぎません。その先に、君はどんな壁を見いだすのでしょうか。私は、あの合宿の日々のように、決め、考え、力強く挑みつづける君を、これからもずっと、心から応援しています。
cf.
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