汨羅の淵に波騒ぎ巫山の雲は亂れとぶ混濁の世に吾立てば義憤にもえて血潮わく
權門上におごれども國を憂ふる誠なし財閥富を誇れども社稷を思ふ心なし
嗚呼人榮え國亡ぶ盲たる民世に踊る治乱興亡夢に似て世は一局の碁なりけり
昭和維新の春の空正義に結ぶ丈夫が胸裡百萬兵足りて散るや萬朶の櫻花
古びし死骸乗り越えて雲飄揺の身は一つ國を憂ひて立つからは丈夫の歌なからめや
天の怒りか地の声かそもただならぬ響きあり民永劫の眠りより醒めよ日本の朝ぼらけ
見よ九天の雲は垂れ四海の海は雄叫びて革新の時到りぬと吹くや日本の夕嵐
噫うらぶれし天地の迷の道を人は行く榮華を誇る塵の世に誰が髙樓の眺めぞや
功名何ぞ夢の跡消えざるものは唯誠人生意気に感じては成否を誰かあげつらふ
止めよ離騒の一悲曲非歌慷慨の日は去りぬ吾等の劔今こそは廓清の血に踊るかな