
今宵はなかなかの月。三好達治と太宰治が、
月天心 貧しき町を通りけり 蕪村
の解釈を論じあう文を読んだ覚えがあるが、
メモが見当たらず、噸と出典がわからない。
お心当たりのある向きは、ご教示願いたい。
豊多摩高校の
天文部で、「月の光は観測の敵」と知る。けれど、
眉根にしわ寄せてシュミットカセグレンをいじくりまわすより、
ごろりとねころんで月を眺めるほうを好んでいたようにも思う。
何年前になるか、中村、日野、仲林と私の四人、真冬の三鷹の
窓を開け放ち、月見酒と洒落こんだ。あまりに美しく会話にも
ならない。果たして我々は、おおいに満足だった。なつかしい。