何地(いづち)から吹きすさぶ 朔北の吹雪よ
わたしの胸を刺すように オホーツクは今日も
海鳴りの中に明け暮れてゆく
父祖の地のクナシリに 長い冬の夜(よる)があける日を
白いカモメが告げるまで 最涯の茜の中で
わたしは立ちつくす 何故か 眼がしらの涙が凍るまで
オホーツクの海原 ただ白く凍てはて
命あるものは 暗い雪の下
春を待つ心 ペチカに燃やそ
あわれ東(ひんがし)に オーロラ哀し
最涯の番屋に 命の火チロチロ
トドの鳴く夜は いとし娘(ご)が瞼に
誰に語らん このさみしさ
ランプの灯影に 海鳴りばかり
スズランの緑が 雪解けに光れば
アイヌの唄声 谷間にこだます
シレトクの春は 潮路に開けて
舟人のかいな 海に輝く
オレオレ オシコイ 沖の声 舟唄
秋あじだいエリヤンサ
揚げる網や 大漁
霞むクナシリ 我が故郷
何日いつの日か詣でむ
御親の墓に
ねむれ静かに
cf.「地の涯に生きるもの」1960年 東宝
cf. https://www.youtube.com/watch?v=1gfZg9vqgD4
cf. https://www.youtube.com/watch?v=0Md2ug6ZqyM