嗚呼玉杯に花うけて
緑酒に月の影やどし
治安の夢に耽りたる
榮華の巷低く見て
向ヶ丘にそゝりたつ
五寮の健兒意氣高し
芙蓉の雪の精をとり
芳野の花の華を奪ひ
清き心の益良雄が
劍と筆とをとり持ちて
一たび起たば何事か
人生の偉業成らざらん
濁れる海に漂へる
我國民を救はんと
逆卷く浪をかきわけて
自治の大船勇ましく
尚武の風を帆にはらみ
船出せしより十二年
花咲き花はうつろひて
露おき露のひるがごと
星霜移り人は去り
梶とる舟師は變るとも
我のる船は常へに
理想の自治に進むなり
行途を拒むものあらば
斬りて捨つるに何かある
破邪の劍を拔き持ちて
舳に立ちて我呼べば
魑魅魍魎も影ひそめ
金波銀波の海靜か
cf. http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/8272842