にくいあん畜生はおしやれな女子、
おしやれ浮氣で薄情もの、 よ。
どんな男にも好かれて好いて、
飽いて別れれやしらぬ顏。
飽いて別れれあ別りよとまゝよ、
外に女子が無いぢやなし、よ。
何をくよくよ、明日の日もござる。
男後生樂、またできる。
男後生樂、踊らぬ奴は、
やもめ男か、いくぢなし、よ。
何をくよくよ、踊さへをどれや、
すぐに女子も、來てたかる。
女子なら身も世もいらぬ、
どうせ名もなし、錢もなし、よ。
まゝよ自棄くそ、梵天國ときめて、
今日も酒、酒、明日も酒。
酒だ、酒、酒、まだ夜は明けぬ、
明けりや工場の笛が鳴る、よ。
まゝよ自棄くそ一寸先や闇よ、
今宵極樂、明日地獄。
「生ける屍」1917