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Q:カロリナスのほうに逃げていって、洞窟を転々としていたんですか?
もう2~3個所。転々とせざるを得ないのは、Aの鍾乳洞に入ると、入り口に兵隊がいて、「ここは兵隊がいっぱいだから入れないよ」と。中を見てもガランと空いているのよ。すみっこのほうに民間人がいるの。「何言ってるの、そんなに空いているんだから入れたらいいじゃないの」「いや、後から兵隊が来るから」と、こう言う。だから民間人なんかどうでもよかったんだな。そんなことがあって、ここもだめだったらここへ行こう、あっちに行こう。また鍾乳洞があったから、数多く。大きいのやら小さいのやらあったから。そして、海岸まで行くと波打ち際にかなりあったし。そういうところに、最後は波打ち際のとこに入っていたけれどね。 言ってみれば、そういうふうにして、あっちに行っても日本の兵隊に迫害を受け、こっちに来るというと、爆撃やら艦砲やら、機関砲やら機関銃やらでもって、どうすればいいの、我々は。結局は死ぬしかないわけでしょう。 しかも、女の人なんかは特にそう、うちのおふくろなんかもそうだけれども、どこかで自分の友達だった、親しくしている友達が艦砲にやられて死んでしまった、それを聞くわけですよ。それで今度、誰々がこうやって死んだ、自分が生きているのが悪くなったまで(思って)、苦しみはね。それでおふくろが死ぬ気になったわけですよ。結局、「戦争も苦しいし、そうやって友達がみんな死んでいくのに、何で私だけが生きていかなきゃなんないんだ。生きていられるわけがないでしょう」というのが、おふくろたちの考え方ですよね。それで、今、少なくとも私らがいないならば、おやじも私も生きられるところまで生きられるだろうと。もう少し長く生きられるだろうという考え方があって、「殺してくれ」と言うようになったの。おふくろがね。それで、おふくろが「殺してくれ」と言うと、おやじも「いや、もう少し生きてみようよ」なんて。「いや、もう、セツエも逝ったことだし、兄貴も死んだか生きたかわからないのに、もう生きていてもしょうがないわ。もうこの国の土になるわ。殺してよ」と。「幸い、おまえも戦闘に参加しておったので銃を持っているじゃないか。簡単に殺せるじゃないか。殺してくれないか」と、こう懇願されたのよ。それ聞いたときに私も、もう悟ったんだと。ほんでもう、僕自身が生きているわけがないと。それで銃口をくわえた。先ほどの銃口をくわえたの。そうしたらおふくろが飛んできて、「誰が供養してくれるんだ。おまえが先に死んだらどうしてくれるんだ。おれより後に死んでくれ」って、こうおふくろに言われて、はっと目が覚めたような状態。「よし、分かった」。それで、おふくろを座らせて、「おふくろ、ありがとうね。長い間ありがとうね」って手を合わせて、「じゃあ、いくよ」。一発ね。僕もあのころ子どもだったな、心臓撃てば死ぬものと思ったの。心臓撃てばね。それで心臓狙ってバーンとやったんですよ。そうしたら、おふくろ、こうしてじーっと血が出てくるんだもん。そうしたらおやじが、「ここだ、ここだ」って言う。それで2発目ここ撃ったら、もうガクンと。 そうしたら、そばで見ている九つのキミエが、今度は私の番だというばかりに、おふくろが今死んだところに座って手を合わせてるの。それで、おれが鉄砲構えたら、「あんちゃん、ちょっと待って」とこう言う。何だ、今さら。「水飲みたい」って言うんだよ。今、我々ぐらいの年になってきたら、今死ぬのに水なんていうのもないと思うけど、「水飲みたい」って。その水があるわけないじゃないの。それでかわいそうだと思って、銃をそこに置いて、海岸端の、こう掘っているの。そこに溜(た)まってるの、水がね。それを2~3個所見つけたらあったの。水筒のふた、2杯ぐらい取って持てきて、「ほら、飲みな」と飲ませて、ゴクンゴクンって飲んでな。「うまいよ、兄ちゃん」って。「うまいよ、兄ちゃん」って言っていたよ。「もういいわ、撃ってよ。おかあちゃんのところに行くから」って、また手を合わせまして。それで、おふくろのときのを思い出したもんだから、撃って海に放り投げたら、タカヤマのお母さんと今の3人が、「私たちも一緒に撃ってくれないか」って、こう言われてね。それで、撃つようになったんだけど。 Q:やっぱり二瓶さんは、追い詰められているときに、もう自分は死ぬもんだというふうに。 そう思っていたからこそ最後まで。おふくろらを殺せたのよ。わしは死なないんだ、わしは生きるんだと思ったら、おふくろまで殺せる気にならないや。「おふくろ、今すぐ逝くからな」と。だって、おふくろをやる前に自分が死のうと思って銃口をくわえたんだもん。引き金を親指にかけて、銃口をくわえて死ぬつもりでいたのが、おふくろが体当たりして、この銃を吹っ飛ばしちゃったの。それで、こうやって私は助かってきたし、私はもう3度くらいこれで助かってきてんのよ。 http://www2.nhk.or.jp/archives/shogenarchives/shogen/movie.cgi?das_id=D0001110576_00000
by sato_ignis
| 2017-06-25 22:28
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