風紀名門の子女に戀するを
純情の戀と誰が言ふ
路頭に迷ふ女性に戀するを
不純の戀と誰が言ふ
雨降らば降るがよい
風吹かば吹くがよい
泣いて笑つて月下の酒場にこび賣る女性は
水蓮の如き純情あり
酒は飮むべし百藥の長
女は買ふべし人生無上の快樂
幼少美女の膝枕に快樂の一夜明ければ
夢もなしまた金もなし
碎く電劍握る美林
のぞくコンパス六分の儀
ああ我山行
渡鳥
いざ唄はんかな 蒙古放浪の歌を
心猛くも鬼神ならぬ
人と生まれて情はあれど
母を見捨てて波越えて行く
友よ兄等よいつ亦あはむ
波の彼方の蒙古の砂漠
男多恨の身の捨て處
胸に祕めたる大願あれど
生きて歸らむ望みはもたぬ
砂丘を出でて砂丘に沈む
月の幾夜か我等が旅路
明日も川邊が見えずばどこに
水を求めむ蒙古の砂漠
朝日夕日を馬上に受けて
續く砂漠の一筋道を
大和男兒の血潮を祕めて
行くや若人千里の旅路
負はす駱駝の糧うすけれど
星の示せる向だに行けば
砂の逆卷く嵐も何ぞ
やがては越えなむ蒙古の砂漠
cf. 防衛大學校逍遥歌 http://ignis.exblog.jp/3346505/