
惜しきをぞ見つむら草や名は知らじ花や咲くらむ摘みぞおきしを
◎惜しめども遂に何時もと行く春は悔ゆとも遂に何時も止めじを
くさぐさの名は知らぬらし花守も名は知らぬらし花の咲く咲く
櫻木のとひし香りは花のその繩張り侵し人の氣樂さ
疾く立たじ里の竹村雪白し消ゆらむ方の戸さじ叩くと
眺むらむ門をとひなば草に木に咲く花人をとがむらむかな
皆空の世界なり地も水も火も罪も塵無い風のうく波
みなの川傳へつながれもつしきし積もれかなつへ立つわかの波
◎むら草に草の名はもしそなはらばなぞしも花の咲くに咲くらむ
むら草の名は知らぬすらこの庭に殘らず濡らし花の咲くらむ
紫もついやれつゝぞをなの身のなをぞ綴れやいつも著ざらむ
むらしはて見つゝ摘み草名は知らじ花咲く見つゝ摘みては知らむ
むら鳥は離れ立ちもす枝に葉に絕えずもちたれ繩はりとらむ
群れ集ひ波の數よりどちらやら千鳥よすがの皆人つれむ
和歌の名は殘して庵に代々しるし代々匂ひてしこの花の香は
池の端に雪や早や消ゆ庭の景
池の皆鴨か眞鴨が浪の景
◎繪馬のみかそなはる花ぞ神の前
折るな枝野菊の莖のたえなるを
木か竹か見すかす霞影高き
◎岸に咲くげんげやげんげ草錦
啄木鳥のとぶや小薮と軒つづき
◎消ゆる子の片身に見たか殘る雪
草の名は知らじな知らじ花の咲く
草の名は知らず珍し花の咲く
今朝春や勇む萬歲やるは酒
今朝ひかむ額も痛い迎酒
今朝みなはのめのやのめの花見酒
今朝皆はへた歌うたへ花見酒
◎下司のよい住居にゐます伊豫の助 ←伊豫介
◎寒さのみ寒さや寒さ身の寒さ
◎鯛なまこいさざに榮螺小爼板 ←うまいころ
鯛なまこ料れや料れ小爼板
忠義高き名比類無き敵討
乳も吞むかよろこぶころよ寒の餅
敵は引く切り取り取りき首は來て
出て見さい花見に皆はいさみ出て
◎手はのこるまじ詰まる碁の果
所知れぬ湯治は姑ぬれ仕事
◎ねぶりつ乘るは春の釣舟
晴立つも名高き刀持つたれば
孫抱かば太鼓羽子板博多獨樂
松焚きて貰ふ湯風呂も出來た妻
松茸に手出しをしたで逃げた妻
待つは辛いといらつは妻
待つむだ寢廓を惡く妬む妻
見聞けたゞ躍りより戸をたゝけ君
◎見たか花忠度の只名は形見
皆筏出し竿さして高い波
◎聟人瀧へ來た飛び込む
無言眞言無言眞言
無念さ胸に二年三年
目をとめよ梅か眺めむ夜目遠目
◎雪に討ち晴らし義士らは忠に消ゆ
ゆつたりと置きつゝ月をとりた露
弓張り取らむむら鳥は見ゆ
◎夜も百夜かよふ逢ふ夜か夜も百夜
寄るよ皆堤に見つゝ波よるよ
樂までぞ花見て皆は袖枕
樂々たてたたてた藏々
理を自づ感じ鬼神が角を折り ←そうであれば
◎悋氣言ひ腹立てたらば贔屓無理
◎留守守る日若夫婦かは晝もする
◎歷々の詩も文字の切れ切れ
六部截つ晴著の切は頭陀袋
分かる旅でぞ袖ひたる川
◎童が咄品は變らは
◎失せました如何致しませう
気怠き一日生きるだけ
内科では薬のリスクはでかいな
飯にお煮しめ ←おいしそう
◎よのなかなかなかなのよ
世の中ね顔かお金かなのよ
悪い鉄柵が腐っているわ
cf.
2009-04-09 紫雲英 2008-10-20