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吉村昭 「海も暮れきる」
尾崎放哉 荻原井泉水輯 「大空」 cf. j-texts 「此頃、放哉、ウマイ煙草が命がけで呑みたい、紫の煙りがかぎたい、アゝあのよい匂ひ、乞食放哉に勿体ない事なれ共、実は此の頃、ヤハリ病気のセイでのどがいたくて、ウマイ物は一ツたべられないのです、ソレデ、勢(タバコの匂ひ)に殺到したワケに候……大至急、おねだり申します、アンタを代表者としてねだります、……夢に見る(よい匂ひ)……お願お願お願サヨナラ。」 小沢武二宛書簡 友を送りて雨風に追はれてもどる ◎井戸の暗さにわが顔を見出す 柘溜が口あけたたはけた恋だ 雨に降りつめられて暮るる外なし御堂 昼寝起きればつかれた物のかげばかり ○蛇が殺されて居る炎天をまたいで通る ○いつ迄も忘れられた儘で黒い蝙蝠傘 ○夕べひよいと出た一本足の雀よ ◎たばこが消えて居る淋しさをなげすてる ◎蟻を殺す殺すつぎから出てくる ◎小さい時の自分が居った写真を突き出される 刈田で鳥の顔をまぢかに見た ◎寒さころがる落葉が水ぎはでとまった ◎鳩がなくま昼の屋根が重たい 自らをののしり尽きずあふむけに寝る 一人のたもとがマツチを持つて居た 馬の大きな足が折りたたまれた ◎打ちそこねた釘が首を曲げた 鳥がだまつてとんで行った 一人つめたくいつ迄薮蚊出る事か 昼ふかぶか木魚ふいてやるはげてゐる ◎心をまとめる鉛筆とがらす ◎松かさつぶてとしてかろし ◎こんなよい月を一人で見て寝る ○淋しいぞ一人五本のゆびを開いて見る ○わが顔ぶらさげてあやまりにゆく ○片目の人に見つめられて居た 紅葉あかるく手紙よむによし 傘にばりばり雨音さして逢ひに来た ○あるものみな着てしまひ風邪ひいてゐる ◎吸取紙が字を吸ひとらぬやうになつた 波へ乳の辺まではいつて女よ ○雪の戸ひそひそ叩いて這入つてしまつた こんな大きな石塔の下で死んでゐる ○鳩に豆やる児が鳩にうづめらる ○ぽっかり鉢植の枯木がぬけた ◎天辺落とす一と葉にあたまを打たれた ○なんにもない机の引き出しをあけて見る 花が咲いた顔のお湯からあがつてくる ○道いつぱいになって来る牛と出逢った 一人分の米白々と洗ひあげたる ◎どんどん泣いてしまつた児の顔 ◎釘箱の釘がみんな曲つて居る ◎淋しいからだから爪がのび出す ここ迄来てしまつて急な手紙書いてゐる 足のうら洗へば白くなる ○わが顔があった小さい鏡買うてもどる ここから浪音きこえぬほどの海の青さの すさまじく蚊がなく夜の痩せたからだが一つ とんぼが淋しい机にとまりに来てくれた ○投げ出されたやうな西瓜が太つて行く ○おそい月が町からしめ出されてゐる ○わが肩につかまつて居る人に眼がない 障子あけて置く海も暮れきる ◎淋しい寝る本がない ◎爪切つたゆびが十本ある ◎入れものが無い両手で受ける ○咳をしても一人 ○くるりと剃ってしまつた寒ン空 ○松かさそつくり火になった 風吹きくたびれて居る青草 ○墓のうらに廻る ◎枯枝ほきほき折るによし ○肉がやせて来る太い骨である 一つの湯呑を置いてむせてゐる 春の山のうしろから煙が出だした cf. 2004-12-22
by sato_ignis
| 2008-03-01 04:55
| 詩
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