つたわることば
by sato_ignis
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今日も一日 戦争はなかったので
夕暮れになると男たちは
罰のように帰りはじめる
ともかくも女たちは食卓で
煮たり焼いたり揚げたり蒸したり
きりきざんだりまるめたりして
罪のように待っているので
平和な一日の結末は
絵のようにさりげなくあるべきだ
帰ってきたのがたしかにあなただと
たしかめるすべはもう ない
男たちはみんな似たりよったりで
際限もなくつづく罰の蔭で
男たちはうわの空で飲み食い眠るだけ
平和な一日がつづきすぎると
はげしいぎりぎりのたしかめはおそろしい
できるだけ寛容にあいまいにうっすらと
どこまでも平行によりそった罪と罰
わたしたちはもうなにもうまず
どこまでもとおくとおくながれていくだろう
なしくずしの死のなかで
たたかえない男と女の
罪と罰がまじりあって朽ちていく
by sato_ignis
| 2007-06-02 03:20
| 詩
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